「新居のマンションで光回線が使えるのかな?」「すでに工事済みなのか確認したい」
引っ越し先や現在のマンションで、高速で安定したインターネット環境を整えたいと考えている方は多いでしょう。特にリモートワークやオンラインゲーム、動画視聴が日常となった今、光回線の有無は住環境を左右する重要なポイントになっています。
この記事では、マンションやアパートなどの集合住宅で光回線が導入済みかどうかを確認する方法と、確認後の対応策について詳しく解説します。
マンションの光回線導入状況を確認する3つの方法
マンションの光回線導入状況を確認するには、主に以下の3つの方法があります。
1. 物件内の光コンセントやLANポートを確認する
すでに入居している場合、室内に「光コンセント」があるかどうかを確認するのが最も簡単な方法です。
光コンセントは光回線専用のコンセントで、LANケーブルを差し込めるようになっており、回線終端装置(ONU)を接続して使用します。差し込み口のところに「光」や「LAN」と表記されているものが多いです。
備え付けのLANポート
光コンセントの形状はいくつかの種類があります
- 一体型光コンセント:壁に埋め込まれたタイプ
- 分離型光コンセント:壁から出ているタイプ
一体型光コンセント
分離型光コンセント
光コンセントがあれば光回線導入済みの証です
光コンセントがあれば、基本的に光回線が導入済みと判断できます。
これは、物件に光コンセントが設置済みということは、その部屋まで光回線が届いているということを意味し、工事なしで光回線を使えるということです。
また、LANポートが壁に設置されている場合は、LAN配線方式の可能性があります。この場合も光回線を利用できる可能性が高いですが、速度や方式については管理会社などに確認が必要です。
2. 大家さんや管理会社に確認する
入居前の物件や、光コンセントの有無が判断できない場合は、大家さんや管理会社に直接確認するのが確実です。
光回線導入済みとわかったら追加でチェックすべき項目と、未導入だった場合にどうするべきかについても併せて確認するとよいでしょう。
確認ポイント:
- どの光回線事業者のサービスが導入されているか
- 配線方式(光配線方式・VDSL方式・LAN方式)
- 各住戸まで光回線が届いているか
- 導入・契約に必要な手続き
ただし、管理会社でも、大家さんへの確認不足などで、光回線が工事済みかきちんと把握していないこともあります。このような場合は、次の方法で確認してみましょう。
3. 光回線事業者のサイトで確認する
各光回線事業者の公式サイトでは、住所を入力するだけで光回線の導入状況を確認できます。特にマンションの場合は、建物名までしっかり入力することで正確に確認できます。
NTTやauひかりなどの公式サイトで、マンションに光回線が導入されているかを確認できます。スマホからでもアクセスできるため、手軽にチェックしてみましょう。
主な光回線事業者のエリア確認ページ:
※ソフトバンク光やドコモ光などの光コラボレーション回線は、NTT東日本/西日本のエリアと同一です。
※NURO光、J:COM NETは申込みボタンを押すとエリアチェックが始まります。
物件情報の表記から読み取る光回線導入状況
物件情報に記載されているインターネット関連の表記から、光回線の導入状況を判断することもできます。ただし、表記だけでは判断が難しい場合もあるので注意が必要です。
物件情報の表記と光回線導入状況の関係
以下のように具体的に表示があればいいのですが、殆どの場合「インターネット対応、接続可」などと曖昧な表現なので大家さん、管理会社に聞かないとわからない場合が多いです。
物件情報の表記 | 光回線導入状況 | 説明 |
---|---|---|
「光回線導入済み」「光ファイバー対応」 | ◎ | 光回線が導入済みである可能性が高い |
「FTTH対応」 | ◎ | FTTH(光ファイバー)が導入済みである可能性が高い |
「インターネット完備」 | ○ | インターネット回線が使える状態だが、光回線とは限らない |
「インターネット対応」 | △ | 共有部分まで回線工事が済んでいる状態で、光回線とは限りません。基本的には、共有部分から各住戸までは回線が引かれていないので、実際にインターネットを使用するためには回線の引き込み工事とプロバイダ契約が必要となります。 |
表記なし | × | 未導入の可能性が高い。個別に確認が必要 |
「インターネット対応」と「インターネット完備」の違いは、「インターネット完備」というのは、共有部分までだけでなく各住戸まで回線が引き込まれており、プロバイダ契約も済んでいる状態のことです。
光回線の配線方式による違い
マンションの光回線には主に3種類の配線方式があり、それぞれ通信速度や安定性が異なります。
マンション光回線の3つの配線方式
配線方式 | 通信経路 | 最大速度 | 安定性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
光配線方式(FTTH) | 電柱→共有部→各住戸 (すべて光ファイバー) |
1Gbps~10Gbps | ◎ | 築年数の浅いマンションで導入されていることが多い傾向です。 |
VDSL方式 | 電柱→共有部(光ファイバー)→各住戸(電話線) | 100Mbps G.fast採用で最大665Mbps |
△ | 電話回線を使っていると最大100Mbpsしか出ない |
LAN配線方式 | 電柱→共有部(光ファイバー)→各住戸(LANケーブル) | 100Mbps~1Gbps | ○ | LANケーブルは、電話回線よりも高速な通信が可能で安定している |
光配線方式が最も高速で安定していますが、どの配線方式が導入されているかは建物によって異なります。配線方式によって使えるサービスや速度が変わるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
主要光回線事業者のエリア確認方法
各光回線事業者のエリア確認方法を紹介します。マンションでは、事業者によって導入状況が異なる場合があるため、複数の事業者で確認してみるとよいでしょう。
NTT東日本/西日本(フレッツ光)のエリア確認
- NTT東日本のエリア検索ページかNTT西日本のエリア検索ページにアクセス
- 郵便番号を入力し、住所を選択
- 「戸建て」か「集合住宅」を選択
- 「光アクセスサービスの提供エリアです」と表示されれば利用可能
- マンションの場合は、マンション名が表示されるか確認
NTTのエリア検索では、「ご指定の住所は光アクセスサービスの提供エリアです」と結果がでてくると、マンションタイプが利用できます。
auひかりのエリア確認
- auひかりの提供エリア検索ページにアクセス
- 郵便番号を入力
- 住所とマンション名を選択
- 提供エリアかどうかの結果が表示される
- マンションの場合、対応しているタイプ(タイプG、タイプV等)が表示される
ソフトバンク光のエリア確認
ソフトバンク光は、NTT東日本およびNTT西日本の「フレッツ光ネクスト」提供エリアと同じです。お住いの建物が「フレッツ光」マンションタイプ対応であれば利用できます。
- NTT東日本/西日本のエリア検索ページにアクセス
- 住所とマンション名を入力
- 「光アクセスサービスの提供エリアです」と表示されれば利用可能
NURO光のエリア確認
- NURO光のエリア検索ページにアクセス
- 郵便番号を入力
- 住所を選択
- 「提供エリア内です」と表示されれば利用可能
- マンションの場合、「NURO 光(マンション)」のタイプが表示される
J:COMのエリア確認
- J:COMのエリア検索ページにアクセス
- 住所を入力
- マンション名を選択
- サービス内容が表示される
光回線が未導入または工事が必要な場合の対処法
マンションで光回線が未導入、または各住戸までの工事が必要だと判明した場合の対処法を解説します。
戸建てタイプで契約する
マンションに光回線が未導入の場合、「マンションタイプ」ではなく「戸建てタイプ」で契約する方法があります。ただし、工事では壁に穴を開ける場合があるため、大家さんや管理会社の許可が必須です。
メリット:
- マンション全体の合意が不要で、自分の住戸だけ導入できる
- 光配線方式の高速通信が利用できる
デメリット:
- マンションタイプより料金が高い
- 管理会社や大家さんの許可が必要
- 退去時に原状回復が必要な場合がある
G.fast対応のVDSL方式を導入する
標準的なVDSL方式では最大100Mbpsの速度ですが、G.fast技術を採用したVDSL方式(auひかりマンションタイプGなど)なら、G契約は高速通信規格のG.fast方式のため、通信最大速度は664Mbpsになります。
メリット:
- 既存の電話線を利用するため、大掛かりな工事が不要
- FTTH並みの高速通信が可能
- 管理会社の許可を得やすい
対応サービス:
- auひかりマンションタイプG(G契約)
HCF ハイブリッド方式の光回線を検討する
J:COM NET 1Gなどのケーブルテレビ回線を利用したハイブリッド方式なら、ケーブルテレビ回線のJ:COM NETに比べて速度がかなり速い特徴があります。
メリット:
- FTTH工事ができないマンションでも導入できる可能性がある
- 最大1Gbpsの高速通信が可能
- テレビサービスとのセット割引がある場合も
対応サービス:
- J:COM NET 1G(HCFハイブリッド方式)

管理組合に働きかけてマンション全体での導入を検討する
マンション全体で光回線を導入してもらえるよう、管理組合に働きかける方法もあります。ハードルはやや高いですが、マンション入居後にマンション向けプランの導入を働きかけるという方法もあります。ただし、この方法には「利用者を規定人数以上集める」といった一定の条件がついている場合があります。
まとめ:お住まいのマンションの光回線導入状況を確認しよう
マンションやアパートで光回線を利用するためには、まず導入状況を確認することが重要です。室内の光コンセントの有無、大家さん・管理会社への確認、各光回線事業者のサイトでのエリア検索といった方法で、導入状況を確認できます。
光回線が導入済みなら、契約して快適にインターネットを利用できます。未導入の場合でも、戸建てタイプでの契約、G.fast対応のVDSL方式、ケーブルテレビ回線を利用したハイブリッド方式など、複数の選択肢があります。
ぜひこの記事を参考に、お住まいのマンションの光回線導入状況を確認し、快適なインターネット環境を手に入れてください。